小栗判官と照手姫の物語を現代に蘇らせるこのスーパー歌舞伎はよく出来てる、物語性だけでなく、和製ミュージカルのような達者な踊りに、立回りの乱舞、見ているだけで楽しくなります。猿之助の前半の動と後半の静が鮮やかで、彼の哲学的なメッセージ、が伝わってきます。もともとの小栗判官の伝説は、古くは旅の僧の門付け芸である「説教節」として物語性を得て、古浄瑠璃として受け継がれて、先代の猿之助が歌舞伎として復活させたものです。貴族の御曹司の貴種流離譚、美女を見初め(彼のほうが惚れる)東国武士の掟(文を破ることの罪ということらしいが)を破った破壊者として、小栗と照手は罰を受ける、一方は地獄に堕ち、姫は川に流される、と、大筋は同じなのですが、そこはスーパー歌舞伎の卓越した演出が、梅原猛の哲学が現代に甦らせるのですね。小栗の家来を小栗...スーパー歌舞伎Ⅱオグリ
0コメント